「裏声」の伝え方を考える
ある夜のマック。Sサイズのコーヒーを頼み、ろう者2人と一緒におしゃべりしていた時のこと。
声の調子やイントネーションといった話から、「裏声」の話題に。
裏声ってどんな声のこと?と聞かれ、
・高くて細い声
・頭の上から出てる感じ
・カラオケとか歌うときに、高い音になったら裏声に切り替わる
みたいな返事をしたのですが、
声が細い、ってどういう状態?
頭の上?震えてるのは喉じゃないの?
声の切り替えは自然とできるの?しようと思えばいつでもできる?
裏声で話す人もいるの?それって聞いてる側はどんな感じ?
と質問の嵐(笑)
今まで自分が「感覚」で捉えてきたことを、いざ言語化しようとするとこんなに難しいのか!と実感。
そこから辞書を引き、ネットを調べ、CiNiiで論文を検索し、いろいろと情報収集をしていたのですが、あんまりピンとくる説明は見当たらず…。
「もう無理~!!」と思いながら自宅で寝ころんでいた時でした。
ふと思いついて、実践。
「これならいけるかも!」
と視界が開けた瞬間でした。
まず、普段自分が出す声で「あ~」って言ってみます。
そうすると、胸とのどのあたりが両方震えると思う。
そこから音を上げていくと、どこかで胸が震えないで、喉だけが震える高さになる。
その高さを出しているときの声が裏声なんじゃないか、と思うのです。
実際にやってみてもらうと、「おぉ…」と違いは分かってもらえたみたい。
よくよく考えれば、そんなに難しいことではないんだけど、最初は私が言葉で伝えようと思って、頑なになってたから、体験的に感じてもらう方法に気付けなかったのです。
でも、こうやって体で分かってもらって、あとで言葉を添えた方が分かりやすいこともあるかなって。
言葉で伝えることばかり考えて、頭でっかちになってたけれど、まずはどうしたら知ってもらえるかを考える方がいいんだなって、気付いた経験でした。